原子力はクリーンエネルギーか?
2019.11.26
あまりに唐突な話題ですが、原子力エネルギーはクリーンエネルギーでしょうか?たしかに、石炭、石油にくらべれば温室効果ガスを出さずに、環境への負荷は少ないように見えます。東日本大震災のような事故さえなければ、温暖化の懸念がなく、不可欠なエネルギーのように思えます。
原子力発電所で廃棄された「高レベル放射性廃棄物」の処理方法はご存じでしょうか?原子力燃料の廃棄物をガラスと混ぜ合わせ、さらにコンクリートでかためて、地下300メートル以上の場所に埋め立て、数万年以上そのままにしておく、というものです。数万年、というのは、放射能が無害化するまでの年数で、「半減期」というものです。
この処理方法で埋め立てられた原子力廃棄物は、日本ではまだありません。場所が選定できていません。
それにしても、「地下300メートル以上で、数万年」の原子力廃棄物は、誰が、どう管理するのでしょう。地球も生きてますから、地下、地層が絶対動かない、なんて誰がいえるのでしょう。
日本は4回も原子力の被害にあっています。広島、長崎、1954年のアメリカによる水爆実験の被害を受けた第5福竜丸、そして東日本。原子力の悲惨さを一番よくわかっている日本が、本当ならば脱原発を、世界の先頭に立って推進するべきです。
核兵器もそうです。日本は核兵器保有国に対して「NO!」を宣言しなければならない。なのに、アメリカに遠慮して、というか核の傘に守ってもらっている、とかいう恩義で、いまだに核拡散防止条約(核兵器廃止に関する国際条約)に批准さえしていません。おかしくないでしょうか?
先日来日されたローマ教皇が、「戦争のために原子力を使用することは、現代において、犯罪以外の何ものでもありません。」「最新鋭で強力な兵器を製造しながら、平和について話すことなどどうしてできるでしょうか。」と訴えておられました。素晴らしいことです。しかし、なぜその前に、我々日本の指導者が、声を大にして同じことを世界に宣言しなかったのでしょうか?
私は不思議でなりません。